臨床検査科
病気を診断し治療方針やその経過を観察する臨床検査は欠かせないものです。
臨床検査とは・・・ 1.検体検査:血液・尿・便・組織や細胞等の患者から採取した検体を扱う検査 2.生理機能検査:心電図や脳波検査など、直接患者の体から情報を得る検査 |
患者さんの待ち時間の短縮を願い、採血から検査結果(検査データ)報告まで最短時間で報告できるよう、2名の臨床検査技師が検査業務に従事し、病院内の他部門と連携しながら常に安定的な検査を心掛けています。
その実例として、85%以上の血液検査において、採血後に検体が提出されてから検査結果報告までの時間を最短23分、最長40分以内で報告しています。
1 検体検査
人体から採取した血液、尿、組織、などの検体を用いて調べます。一部検査については外部に委託しています。
生化学的検査、血液学的検査、一般検査、免疫血清学的検査、輸血検査及び微生物学的検査に分類されます。
⑴ 生化学的検査
血液中の酵素、脂質、糖質、ミネラル、ヘモグロビンA1c、血中薬物濃度などを測定し、体調の変化や臓器の異常を把握します。肝機能・腎機能検査、脂質検査、糖尿病検査など、多くの分析項目があります。
処方薬の血中薬物濃度を測定し、「薬の量が少なすぎる」又は「多すぎて副作用が出現する危険がある」などの推測に必要な検査も行っています。
⑵ 血液学的検査
血液中の血球成分(白血球、赤血球、血小板)の数や形態・機能を検査します。
貧血の有無や白血球の種類も注意深く観察し、一部の薬物が原因で起こる好中球減少や無顆粒症の発見に寄与しています。
⑶ 一般検査
尿、便、脳脊髄液などを調べる検査です。
尿の検査では腎臓や泌尿器系臓器の状態などについて調べます。
⑷ 免疫血清学的検査
抗原抗体反応を利用して各種感染などの免疫が関係する病気を診断する検査です。肝炎ウィルス、梅毒、インフルエンザ、ノロウイルスなどの診断には欠かせない検査です。
また、甲状腺機能検査や新型コロナウイルス(covid19)抗原定量検査も実施して、院内の感染症予防に貢献しています。
2 生理機能検査
心電図検査、脳波検査、超音波検査など、身体から直接得られる情報を記録して、身体の状態を検査します。
⑴ 心電図検査
心臓の状態を電気的活動として捉え評価し、脈の乱れや狭心症などの循環器疾患の有無を記録し調べます。
⑵ 脳波検査
頭皮表面に電極を付け、脳から発生する微弱な電気活動(電気信号)を増幅して記録するのが脳波検査です。光刺激や過呼吸刺激などを与えて脳の反応を記録し調べます。
⑶ 超音波検査
人の耳に聞こえる音の周波数よりさらに高い音である超音波を用いて体内の臓器や血液の流れなどを画像化し、異常の有無を調べます。
心臓や、肝臓・胆のう・腎臓などの腹部臓器、大動脈・下肢静脈などの血管系といったあらゆる臓器の観察に用いられます。
精度管理
精度管理には内部精度管理と外部精度管理の二種類があります。内部精度管理は毎日同じ試料を測定して、結果が他の日と大きく変わっていないかを調べます。外部精度管理は日本臨床衛生検査技師会などの団体が同じ試料を調査に参加する病院や検査施設に送り、同時期に測定することで異なる結果が出ていないかを調べます。
臨床検査科では外部精度管理として「日本臨床衛生検査技師会主催精度管理調査」「栃木県臨床検査精度管理調査」、2つの事業に参加しています。