アルコール・薬物等依存症医療

当院には現在、栃木県内で唯一のアルコール専門外来が設けられています。その歴史は平成元(1989)年に遡ります。当初は外来診療と断酒のための入院治療でしたが、平成8(1996)年から久里浜医療センターのアルコール依存症リハビリテーションプログラム(ARP)を導入し、患者さんの同意のもとで入院していただきプログラムを実施する方式となり現在に至っています。アルコール以外の薬物依存症についてもアルコールを薬物に置き換えて考えていただくことでプログラムを実施しています。令和3(2021)年からは外来での依存症プログラムを開始し実績を積み重ねつつあります。

 

患者さんには内科や外科などの身体科や一般精神科からのご紹介で受診される方もいれば、飲酒の問題でご家族に促されて受診する方もいますが、中にはご自身の飲酒状況が心配になり自ら希望して受診される場合もあります。

 

アルコール依存症治療は外来治療が基本となりますが、外来の治療では不十分な場合は前記のように入院による治療をお勧めすることもあります。
入院治療では現在、2週間の断酒とアルコールリハビリテーションプログラム(ARP)を行っています。断酒期間をもう少し長くとったほうがいいと判断される場合は、さらに2週間程度入院を延長することもあります。入院は基本的に御本人の同意に基づく任意入院となります。

 

外来通院の方は月2回行われる外来通院プログラムに参加することができます。アルコール依存症の薬物療法については、従来はアルコールの分解を阻害する嫌酒薬が中心でしたが、近年、脳神経に作用し飲酒欲求を減らす効果のある薬剤が登場し、アルコール依存症の治療の幅は広がっています。

 

なお、アルコール、薬物依存症等の治療については、依存症プログラムや薬物療法の他、ダルク(薬物依存者のための民間リハビリ施設)、地域の断酒会、AA(アルコホーリクス・アノニマス)、NA(ナルコティクス・アノニマス)などの自助グループへの参加を患者さんにお勧めし、場合によっては自助グループと連携をとっていくこともあります。外来ではアルコール、薬物を含めた依存症の問題を持った方の御家族に対して家族相談も受け付けています。

 

また、ギャンブル依存症については、当院での診療後、必要が認められれば当院に隣接する栃木県精神保健センターで実施されているギャンブル依存症プログラムへの参加をお勧めすることもあります。

 

依存症は身体的、精神的に大きなダメージをもたらす可能性のある脳の疾患です。身体的な症状が落ち着いていれば、依存症に対して当院で治療できる可能性がありますので、アルコール、薬物、ギャンブル等の問題でお悩みをお持ちの方、そのご家族の方々におかれましては、お気軽に当院にご相談ください。