作業療法(OT※)
普段、何気なく送っている毎日の生活。食べること、寝ること、楽しむこと、どれを1つとってみても、そこにはこころとからだの複雑な動きがあります。
作業療法は、病気や障害と折り合いをつけながら、自分ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなどを家事、仕事、学業、趣味、遊び、対人交流、休養など日常生活のなかでの活動(作業)を通して実現していく、「こころとからだを元気にする」リハビリテーションです。
※OT:「Occupational Therapy」の略です
- 対象は、当院に入院治療している患者さんで、主治医より許可のある方となります。
- 薬物療法をはじめとするほかの治療法と併せて、作業療法室や病棟内のスペースなどを利用し実施しています。
- 治療における休息と活動のバランスを大切にしながら患者さんにとって意味のある活動を提供し、退院後の生活が安定して豊かに営めるよう支援をしています。
目的
一人一人目的は異なってきますが、例えば、入院中から適度な活動を行うことで入院中と退院後の生活のギャップを埋めること(生活リズムの安定と退院後の生活に向けた準備)、退院後に安定した生活を送る方法と工夫を具体的に試しながら考えること(再発予防のための情報と技能の獲得)などがあります。
そのほかにも次のようなことを目的としています。
- ストレスをためないような対人関係やコミュニケーションの仕方を身につけること
- 気分転換をはかりつつ、楽しみや自分のできることを見つけること
- 意欲や集中力、記憶力など脳の機能の回復をはかること
- 体を動かすゲームやスポーツなどを通して基礎体力の維持や回復をはかること
- 自身の日課や活動の管理、金銭の管理、他者に巻き込まれないよう自分のペースを管理することで自分の気分を管理し落ち着いていられるようにすること
主な活動内容
現在の状態と能力を確認し改善を図るために、一人一人の事情と目標に合わせ必要なことはできる限り行います。
- 手工芸
- 書道
- 音楽鑑賞、カラオケ
- リラクゼーション(ストレッチ・自律訓練法など)
- スポーツ活動
- パソコン作業
- 脳トレ
- 金銭管理やスケジュール管理の練習
- 公共交通機関やATM利用の練習
- 調理、掃除・片付け、洗濯などの家事活動